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相続空き家の売却で気になる税金は?特例や控除のポイントを紹介

税金関連

濵野 元希

筆者 濵野 元希

不動産キャリア10年

当社ではご相談から売却・購入まで、私自身が責任をもって対応しています。
「どれくらいで売れる?」「売るべき?買うべき?」
といった疑問も、状況を整理するところから一緒に考えています。
宝塚市・阪神間の不動産のお悩みは、まずはお気軽にご相談ください。

「相続で引き継いだ空き家を売却したいが、どんな税金がかかるのか分からず不安だ」と感じていませんか。不動産売却には、譲渡所得税や印紙税など様々な税金が発生し、条件によっては特例や控除も受けられます。税金の基本や特例の適用条件、手続きの流れを分かりやすく解説します。知らないまま進めて損をしないため、ぜひご一読ください。


相続した空き家を売却する際に知っておくべき税金の基本

相続した空き家を売却する場合、まず理解しておきたいのが「譲渡所得税」です。これは売却による利益(譲渡所得)に対して課される税金で、計算式は「譲渡価格―(取得費+譲渡費用)―特別控除額」となります。所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」として税率は合わせて約20.315%(所得税+住民税)となり、5年以下の「短期譲渡所得」は約39.63%と高くなりますので、ご注意ください。

また、売却の際に必ずかかる税金として「印紙税」と「登録免許税」があります。印紙税は売買契約書に貼付する収入印紙によるもので、売買の金額に応じて税額が変わります。登録免許税は相続登記や抵当権抹消など登記手続きに伴い課税され、相続登記の場合は不動産評価額の0.4%が目安になります。

さらに、空き家の維持にかかるコストとして「固定資産税」が継続して発生します。売却を急ぐあまり、税負担がかさむケースも少なくありませんので、売却時期や手続きの計画を立てる際には、これらの税額や支出も考慮したうえでスケジュールを組むことが大切です。

税金の種類概要備考
譲渡所得税売却益に課税される所得税・住民税所有期間が5年超なら約20.315%
印紙税売買契約書に対する税金契約金額に応じた収入印紙を貼付
登録免許税相続登記など登記手続にかかる税相続登記は評価額の約0.4%

相続空き家の売却で活用できる主な税制特例と控除

相続して活用していない空き家を売却する際には、譲渡所得税などの負担を軽減できるさまざまな特例があります。以下に、代表的な制度をわかりやすく整理しました。

制度名 概要 主な要件
相続空き家の3,000万円特別控除 譲渡所得から最高3,000万円を控除可能 被相続人居住用の家屋・敷地を相続し、令和9年(2027年)12月31日までに売却。旧耐震基準の建物など要件あり。共有時は控除額が共有人数で按分(最大2,000万円など)
取得費加算の特例 支払った相続税の一部を取得費に加算可能 相続税が課され、その相続財産を相続税申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年以内に売却すること
低未利用地の100万円控除 譲渡所得から最大100万円を控除可能 小規模な500万円以下の土地が対象で、空き地や空き家敷地として長期間未利用であったこと。市町村による確認書の取得が要件のひとつ

まず代表的な制度である「相続空き家の3,000万円特別控除」は、相続した空き家の売却に際して譲渡所得から3,000万円を控除できるため、大幅な節税効果が期待できます。ただし、被相続人の居住用家屋とその敷地を相続したうえで、令和9年(2027年)12月31日までの売却が要件となります。また、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された旧耐震基準の家屋であること、売却価格の上限が1億円以下であることなどにも注意が必要です。共有相続の場合には控除額を共有人数で按分する制限もあります。これらの要件を満たすことが前提です 。

次に「取得費加算の特例」は、相続税を支払っている場合に、その一部を取得費に加算して譲渡所得を小さくできる制度です。ただし、相続税申告期限(相続開始から10ヶ月以内)から3年以内に売却する必要があり、空き家特例との併用は認められていません。どちらの特例を選ぶかは税額を比較して判断することになります 。

また、「低未利用地の100万円控除」は、小規模な空き地や空き家の敷地など低未利用の土地を売却する際に譲渡所得から最大100万円を控除できる制度です。取引価格が500万円以下であることや市町村による確認書の取得など、利用に際しては手続きが求められます。大規模な節税にはなりませんが、小さな土地でも効果的に税負担を軽減できます 。

上記の特例それぞれに、適用できる条件や対象となる空き家・土地の状態が異なります。どの制度が利用可能で最もメリットがあるかを慎重に判断し、必要に応じて税理士などの専門家へご相談されることをおすすめします。

特例適用時の注意点と適用条件を確実に満たすために確認すべきこと

相続して手に入れた空き家を売却して「相続空き家の3,000万円特別控除」の特例を利用するさいには、制度の要件をしっかり理解しておかなければ、期待していた節税効果を得られない恐れがあります。具体的な注意点を、わかりやすく整理しました。

確認すべき項目主な注意点備考
適用期限相続開始日から3年以内に、かつ制度の期限(令和9年12月31日)までに譲渡する必要があります。期限を過ぎると特例が使えなくなります。
耐震要件旧耐震(昭和56年5月31日以前築)で、耐震リフォームまたは解体して更地にする必要があります。要件未達の場合、特例適用不可です。
相続の形態建物と土地を同一相続人が取得しなければ適用されません。共有や分割取得は要注意です。共有者全員が建物と土地を取得している場合に限り、各自が控除可。

まず、最も重要なのは「期限」です。相続が開始してから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却を完了している必要があり、さらにこの特例制度自体も現行では令和9年12月31日までの適用となっています。たとえば、令和6年3月に相続が発生した場合、令和9年12月31日までに譲渡が必要です。

次に、建物の耐震性も見逃せないポイントです。昭和56年5月31日以前に建築された物件(いわゆる旧耐震基準)が多く適用対象ですが、耐震基準を満たしていないと判断された場合は、耐震リフォームを行うか、または建物を解体して更地にしたうえで譲渡しなければ、この控除は受けられません。

相続の形態に関しても注意が必要です。建物と土地を同じ相続人が取得していなければ特例は適用されません。たとえば建物を兄が、土地を弟が相続したようなケースでは対象外になります。一方、兄弟ともに建物と土地を取得し、かつ要件を満たす場合には、それぞれ最大3,000万円の控除が受けられます。

さらに、適用要件を満たしていても、確定申告が必須です。これを怠るとせっかくの控除が受けられませんので、売却の年の翌年2月16日から3月15日までに、必要書類を添えて申告することを忘れないでください。

以上のポイントを踏まえ、適用期限・耐震・相続の形態・申告手続きの四点を確実に確認いただければ、相続空き家の売却において大きな節税効果を得る可能性が高まります。

売却に向けた実務の流れと税金対応の基本フロー

相続した空き家を売却する際には、まず「相続登記(名義変更)」が不可欠です。令和6年(2024年)4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記しないと、最高10万円の過料を科される可能性があります。そのため、相続人全員で遺産分割協議を整え、必要書類をそろえて早めに申請することが重要です。必要書類には、被相続人および相続人全員の戸籍謄本、住民票(除票含む)、固定資産評価証明書、印鑑証明書、全部事項証明書などが含まれます。これらを揃えて法務局へ登記申請を行い、名義変更を完了させます。司法書士への依頼も可能で、手続きがスムーズになります。

ステップ対応内容注意点
名義変更(相続登記)戸籍謄本・住民票等の収集、登録免許税納付3年以内に手続きを。司法書士に依頼可能
必要書類の準備登記事項証明書、住民票除票、売買契約書など確定申告や特例適用のために保存
スケジュール設計相続開始からの年限と売却時期を明確化3年以内の売却で特例控除の適用が可能

さらに、売却に向けた準備としては、売買契約書の作成や、必要になる書類(登記事項証明書、被相続人の住民票除票、売買契約書等)の用意が欠かせません。これらは確定申告において「相続空き家の3,000万円特別控除」などの適用を受ける際にも必要ですので、大切に保管してください。

売却時期については、「相続開始から3年以内に売却すること」が税制特例の適用にとって重要です。たとえば「3,000万円控除」が適用されるには、被相続人居住用であった空き家であること、耐震基準を満たすか解体されていることなどの条件があり、さらに相続人が複数いる場合には控除額を持ち分に応じて按分する必要があります。売却時期と特例適用期限を見据えたスケジュール設計が重要です。

以上のように、相続登記による名義変更、必要書類の整理、税制特例の期限との整合的なスケジュール設計という三本柱を押さえることで、空き家売却に伴う税金対応を円滑に進めることができます。

まとめ

相続した空き家の売却には、譲渡所得税をはじめとした多様な税金が関わりますが、特例や控除を十分に活用することで負担を減らすことが可能です。特に、三千万円特別控除や取得費加算の特例などの制度は、申請期限や条件を満たすことで大きなメリットをもたらします。一方で、各種特例は適用期限や手続きの流れを正しく把握しないと利用できない場合もあるため、早めに行動を起こすことが大切です。売却をご検討の方は、これらのポイントをしっかり確認し、着実に準備を進めていきましょう。

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