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実家を相続したら賃貸と売却どっちが得? 相続後の判断基準を整理する方法

濵野 元希

筆者 濵野 元希

不動産キャリア10年

当社ではご相談から売却・購入まで、私自身が責任をもって対応しています。
「どれくらいで売れる?」「売るべき?買うべき?」
といった疑問も、状況を整理するところから一緒に考えています。
宝塚市・阪神間の不動産のお悩みは、まずはお気軽にご相談ください。

相続した実家を「賃貸に出すか」「売却するか」。
どちらが正解なのか、迷われている方はとても多いです。
固定資産税や管理の負担、将来の相続を考えると、なんとなく放置するわけにもいきません。
一方で、思い出がつまった実家をすぐに手放してよいのか、不安や迷いがあるのも当然です。
そこでこの記事では、賃貸と売却それぞれのメリット・デメリットを整理しつつ、「どっちを選ぶべきか」を具体的な判断基準に落とし込んで解説します。
読み進めていただくことで、ご家族と納得して選べる答えが見えてくるはずです。


相続した実家を放置せず現状を整理


相続した実家には、賃貸に出す、売却する、相続人が自ら住む、建物を解体して更地にするなど、いくつかの選択肢があります。
しかし、いずれも決めずに空き家のまま放置すると、建物の老朽化や近隣への悪影響により「特定空家等」と判断され、固定資産税の優遇が外れるおそれがあります。
また、雑草やごみの放置、倒壊や火災の危険が高まることで、行政から指導や勧告、場合によっては命令・行政代執行を受け、その費用を請求される可能性もあります。
このように、何もしないこと自体が大きなリスクになるため、まずは「どうするか」を具体的に検討し始めることが大切です。

次に整理すべきなのが、実家の建物や土地の「状態」です。
一般に、築年数が古く老朽化が進んだ住宅では、耐震性や設備の不具合が発生しやすく、そのまま賃貸に出すことが難しい場合があります。
また、長期間空き家になっていると、雨漏りやカビ、配管の劣化、小動物の侵入などが起こりやすく、修繕費が高額になることも想定されます。
あわせて、周辺の生活環境や交通利便性、日当たりなど、立地条件も賃貸・売却のしやすさに影響するため、客観的な目で確認しておくことが重要です。

さらに見落としやすいのが、「権利関係」の整理です。
相続した不動産については、相続登記が義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。
登記名義が被相続人のまま放置されると、相続人が増えるなどして権利関係が複雑化し、将来の売却や賃貸契約の際に手続きが大幅に遅れたり、トラブルの原因になったりします。
相続人の人数や関係性、遺言や遺産分割協議の有無、登記名義の現状を早い段階で確認し、誰がどのように意思決定するのかを整理しておくことが、後の賃貸・売却の進めやすさにつながります。


整理すべき項目 主な確認内容 放置した場合の主なリスク
活用方法の方向性 賃貸・売却・自己利用・解体の比較 空き家化による税負担増加
建物と土地の状態 築年数・老朽化・空き家期間の把握 倒壊や火災・資産価値の低下
権利関係と登記 相続登記の有無・相続人の範囲 手続き遅延と相続トラブル

実家を賃貸にするメリット・デメリット


相続した実家を賃貸に出す最大のメリットは、家賃収入が得られることです。
家賃収入を固定資産税や火災保険料、日常的な維持管理費に充てることで、自己負担を抑えながら不動産を保有し続けられる可能性があります。
また、空き家のまま放置すると老朽化や防犯上の不安が高まりますが、入居者がいれば日常的に利用されるため、建物の劣化や防犯面のリスクを一定程度抑えやすいとされています。
さらに、先祖代々の土地や思い入れのある実家をすぐに手放さずに済む点も、心理的なメリットとして挙げられています。

一方で、賃貸ならではのデメリットや注意点も慎重に確認する必要があります。
代表的なのが空室リスクであり、入居者がいない期間は家賃収入が途絶える一方で、固定資産税や管理費、光熱費の基本料金などの支出だけが発生し続けます。
また、入居者の入れ替えや原状回復工事、設備の故障対応など、修繕費や管理の手間が継続的にかかることも避けられません。
入居者との間で家賃滞納や近隣トラブルが生じる可能性もあり、賃貸経営は「何もせず収入が入る仕組み」ではないことを理解しておくことが大切です。

それでは、どのような実家であれば賃貸に向いているのでしょうか。
一般的には、一定の賃貸需要が見込める立地で、建物の老朽化が進み過ぎておらず、最低限の安全性や設備水準を確保できる物件が賃貸向きとされています。
さらに、相続人が物件まで通いやすい距離に住んでいるか、管理や修繕の段取りに時間と労力を割けるかどうかも重要な条件です。
反対に、著しく老朽化して大規模修繕が必要な場合や、長期的に需要が見込みにくい場所で、相続人が遠方在住で管理が困難なケースでは、賃貸よりも別の選択肢を検討した方がよい可能性があります。


項目 賃貸に向く実家 賃貸に向かない実家
建物の状態 基本的な安全性を確保 大規模修繕を要する老朽化
賃貸需要 一定の入居ニーズ想定 長期空室のおそれが高い
管理体制 通える距離と時間的余裕 遠方在住で管理が困難

実家を売却するメリット・デメリット


相続した実家を売却すると、資産を短期間で現金化できるため、相続税や他の支出に充てやすくなるメリットがあります。
また、将来の老朽化に伴う大規模修繕や、固定資産税・火災保険料などの維持費の負担から解放される点も大きな利点です。
さらに、空き家のまま放置すると倒壊や雑草繁茂などで近隣トラブルにつながるおそれがありますが、売却によってそうした管理上のリスクを早めに解消できるのも重要なポイントです。
このように、売却は「負担の軽減」と「現金の確保」を同時に実現しやすい選択肢といえます。

一方で、売却にあたっては譲渡所得税や住民税がかかる可能性があり、手取り額が想定より少なくなることがあります。
相続した実家の売却益には、所有期間に応じた税率が適用され、他の所得と合わせて税負担が変わるため、事前の試算が欠かせません。
ただし、「相続した空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」や、相続税申告から3年以内に売却した場合の取得費加算など、条件を満たせば税負担を軽減できる特例も用意されています。
これらの制度は適用期限や細かな要件があるため、売却時期を含めて慎重に検討することが大切です。

実家の売却が向いているのは、早期に現金が必要な場合や、相続人の居住地が離れていて管理が難しい場合などです。
また、建物の老朽化が進み賃貸に多額のリフォーム費用が必要なケースや、相続人同士の意向が分かれ長期保有がかえって負担になる場合も、売却を検討しやすい状況といえます。
反対に、税制上の特例の期限直前で慌ただしく売却を進めると、価格交渉や条件の確認が不十分になり、結果として不利な条件で手放してしまうおそれがあります。
そのため、売却を選ぶなら「いつまでに売るのか」という目安を早めに決め、相続人同士で十分に話し合っておくことが重要です。


項目 主な内容 注意したい点
売却のメリット 現金化と維持負担の解消 手取り額を事前試算
税金のポイント 譲渡所得税と各種特例 適用期限と要件の確認
売却が向く状況 管理困難や早期資金需要 拙速な売却タイミング回避

賃貸か売却かを判断する具体的な基準


相続した実家を賃貸にするか売却するかは、感情だけでなく複数の観点から整理して考えることが大切です。
特に重要になるのが「収支」「手間と時間」「相続人同士の合意」「今後10年のライフプラン」という4つの軸です。
賃貸では家賃収入と維持費・修繕費の収支を見比べ、売却では売却代金と税金・諸費用を踏まえて判断する必要があります。
また、今後の生活設計や家族構成の変化も含めて総合的に比較することで、後悔の少ない選択につながりやすくなります。

次に大切なのは、空き家のままにしないための期限をあらかじめ決めておくことです。
公的機関や専門家の解説でも、相続した空き家を放置すると老朽化や近隣トラブル、特定空家に指定されるおそれなど、さまざまなリスクが指摘されています。
そこで、まず物件や周辺相場の調査を行い、おおまかな賃貸収支と売却価格の試算をしたうえで、家族で話し合う流れを意識するとよいとされています。
検討に時間がかかりそうな場合でも、「〇か月以内に方針を決める」といった目安を決めておくと、結果的に空き家期間の長期化を防ぎやすくなります。

賃貸か売却か、いずれを選ぶ場合でも、最低限押さえておきたい手続きの流れがあります。
近年は、相続登記の申請が義務化されるなど、権利関係を明確にしておくことの重要性が高まっています。
一般的には、相続人や相続財産の確認、遺産分割協議、相続登記、必要書類の収集を行ったうえで、賃貸や売却の契約、さらに譲渡所得などの税務申告へと進む流れが基本とされています。
この一連の手順を事前に把握しておくことで、慌てずに比較検討を進めやすくなり、結果として空き家の放置リスクを抑えることにもつながります。


判断軸 賃貸を選ぶ目安 売却を選ぶ目安
収支 家賃収入で維持費賄える見込み 維持費負担が長期的に重い場合
手間と時間 管理の時間的余裕がある場合 管理や対応に時間を割けない場合
相続人と将来計画 将来自己利用の可能性が高い場合 早期に現金が必要で合意しやすい場合

まとめ


相続した実家は、賃貸か売却かを選ぶ前に、建物の状態や立地、空き家期間、権利関係を整理することが大切です。
賃貸は家賃収入が見込めますが、空室や修繕、管理の手間などリスクもあります。
売却は早期に現金化でき、維持管理の負担を減らせますが、税金や売却タイミングの検討が必要です。
収支、手間と時間、相続人同士の合意、今後10年のライフプランという4つの軸で比較し、家族でよく話し合って決めましょう。
専門家へ早めに相談し、空き家のまま放置しないことが安心への近道です。


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この記事の執筆者

濵野 元希

このブログの担当者 濵野 元希

▼ 保有資格
宅地建物取引士

▼ キャリア:10年

宝塚市のアピア2にて、地域密着型で不動産のご相談をお受けしています。

「購入も売却もまだ決まっていない」という段階からでも、気軽にご相談いただける環境づくりを大切にしています。

納得できる選択ができるよう全力でサポートいたします。